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第97期の営業概況について

皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。さて、ここに第97期の営業の概況についてご報告申し上げます。

事業の経過及びその成果

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和されたことにより経済活動の正常化が進み、企業活動及び個人消費は持ち直しの兆しが見られました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化、円安や資源高に伴う物価上昇、インフレ圧力の高まり、これに伴う世界的な金融引き締め強化の潮流等の様々なリスクが懸念され、景気の先行きは不透明な状況となっております。

当社グループでは前連結会計年度より「収益認識に関する会計基準」(以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。当社グループの営業取引には、財又はサービスを企業が自ら提供する履行義務のある場合の「本人取引」と、顧客がその財又はサービスを受け取れるように手配する履行義務を負う「代理人取引」が同一商材を扱う上でも幅広く混在しており、以下の要因等から従来の総額での売上高による業績把握を現在も実施しております。

  • 「本人取引」と「代理人取引」上の営業利益率に重要性のある差異はなく、それらを要因とした利益に与える影響は軽微であるにも拘わらず、表面上の売上総利益率に大きな差異が発生すること
  • 営業取引における採算性と運転資金の効率性判断において純額売上方式は親和性が無いこと
  • 当社の「代理人取引」は所謂「売り切り・買い切り」モデルが主体であり、営業債権及び債務は総額取引に基づいて発生するため、取引先の信用情報管理等の把握と分析においては従来の基準が望ましいこと

以上のこと等から、当社グループでは経営者の視点による判断により、業績管理要素として総額売上高を「取扱高」として数値化し業績分析等に活用しております。よって、経営成績等の状況に関する分析・検討の説明においても収益認識会計基準等に基づく「売上高」と当社グループ内での管理指標としての「取扱高」を併記する形式で説明いたします。

当連結会計年度の当社グループの経営成績は、以下のとおりであります。

当連結会計年度(2023年3月期)経営成績 前連結会計年度比較

(単位:百万円)

  前連結会計年度 当連結会計年度 対前期増減額 対前期増減率
売上高 12,733 13,248 514 4.0%
取扱高 45,253 47,581 2,328 5.1%
営業利益 1,033 1,089 55 5.4%
経常利益 1,169 1,146 △22 △2.0%
親会社株主に帰属する
当期純利益
746 722 △24 △3.2%

当連結会計年度(2023年3月期)経営成績 四半期推移

(単位:百万円)

(会計期間) 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期
取扱高
(対前年同四半期増減額)
12,710
(2,102)
12,111
(1,727)
12,528
(1,190)
10,231
(△2,691)
営業利益
(対前年同四半期増減額)
321
(56)
242
(54)
302
(79)
223
(△135)

当社グループの当連結会計年度の業績は上表のとおり、売上高は132億4,800万円となりました。当連結会計年度の取扱高については、前連結会計年度後半に大きく伸長した環境・機能材料や電子材料が第3四半期連結累計期間まで堅調に推移しました。それらを主要因として、前連結会計年度に比べ5.1%増の475億8,100万円となりました。
四半期単位の取扱高については、前連結会計年度が前第3四半期連結会計期間以降に大幅に増加したことに対して、当連結会計年度は上表推移のとおり、第3四半期連結累計期間までの各会計期間で前年を上回りました。しかしながら、当第4四半期連結会計期間ではスマホやPC等の需要急減により電子材料市況が急激に落ち込んだことから電子材料や環境・機能材料のバリウム中間体の販売が低迷しました。その結果、当第4四半期連結会計期間は前年を下回りました。

利益面においては、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ5.4%増の10億8,900万円となりました。増益の要因としては、当第4四半期連結会計期間こそ前年を下回ったものの、年間の取扱高は増収となったこと等が挙げられます。当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ2.0%減の11億4,600万円となりました。主な要因としては、営業利益は増加しましたものの、為替差益が前年比で減少したことにより営業外損益が悪化したことが挙げられます。また、当連結会計年度には特別利益としてゴルフ会員権売却益100万円、特別損失として投資有価証券評価損1,900万円を計上しております。これらの結果として、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ3.2%減の7億2,200万円となりました。

主な事業の内訳は、次のとおりであります。

(単位:百万円)

  前連結会計年度 当連結会計年度 取扱高
増減額
取扱高
増減率
売上高 取扱高 売上高 取扱高
環境・機能材料 4,996 20,918 5,978 24,950 4,031 19.3%
電子材料 2,117 13,874 1,481 12,111 △1,762 △12.7%
衛生・産業材料 5,619 10,460 5,788 10,520 59 0.6%
合計 12,733 45,253 13,248 47,581 2,328 5.1%

(注)売上高は当社グループの経営分析指標ではないため、対前連結会計年度比較を行っておりません。

当社グループの当連結会計年度の業績は、前述のとおり、売上高は132億4,800万円となりました。取扱高については、前連結会計年度に比べ5.1%増の475億8,100万円となりました。

環境・機能材料

環境・機能材料については、当連結会計年度の売上高は59億7,800万円となりました。取扱高については、前連結会計年度に伸長した国内向けバリウム中間体や触媒、その他の輸入商材等が伸長したこと等を主要因として、前連結会計年度に比べ19.3%増の249億5,000万円となりました。

電子材料

電子材料については、当連結会計年度の売上高は14億8,100万円となりました。取扱高については、前年度後半に大幅に伸長した電子材料向けバリウムや誘電体材料が、当年度後半には市況の在庫余剰感と需要の減退により急激に落ち込んだことから、前連結会計年度に比べ12.7%減の121億1,100万円となりました。

衛生・産業材料

衛生・産業材料については、当連結会計年度の売上高は57億8,800万円となりました。取扱高については、おむつ・サニタリー用品関連向けの衛生材料が安定的に推移したことや産業材料に若干の業績改善が見られたこと等により、前連結会計年度に比べ0.6%増の105億2,000万円となりました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。

国内法人

当連結会計年度の売上高は100億9,600万円となりました。当連結会計年度の取扱高については、電子材料の減少があったものの、バリウム中間体やその他の輸入商材等の増加により環境・機能材料が増加し、また衛生・産業材料についても安定的に推移しました。その結果、前連結会計年度に比べ3.9%増の414億2,400万円となりました。営業利益についても、取扱高の増加に起因して1.2%増の7億5,400万円となりました。

在外法人

当連結会計年度の売上高は31億5,100万円となりました。当連結会計年度の取扱高については、円安による割増効果に加えて、北米法人のコロナ禍からの復調や中国法人における脱硝触媒の増販、インドネシア法人の堅調な推移等により、前連結会計年度に比べ14.0%増の61億5,700万円となりました。営業利益についても、取扱高の増加に加えて、インドネシア法人では原料や輸出運賃の高騰があったものの当年度後半には業績の改善が見られたこと等によって、17.1%増の3億4,200万円となりました。

対処すべき課題

当社グループは経営計画のビジョンの実現に向けて、以下のアクションプランを掲げておりま す。

  1. 貿易比率を伸ばすべく海外における新市場・未開拓分野へ注力し海外事業の更なる拡大と深化を図る
  2. 5年間で海外拠点を現在の8拠点から更に拡充し、約30名の要員(海外現地法人含む)を増やす
  3. 社員の多国籍化や女性・高齢者といった多様な力を競争力の源泉とし企業力向上を図る
  4. チャレンジを促し、強みを伸ばすために組織・制度を見直すとともに、人材のグローバルベースでの適材適所を推進する
  5. 魅力・活力に溢れる企業集団を目指して職場環境の改善に取り組み、社員のモチベーション向上を図る
  6. 化学品ビジネスにおいて「堺商事ならでは」の価値を創造し、ステークホルダーのニーズに応えることにより社会に広く貢献する
  7. コーポレートガバナンスと内部統制システムの強化を通じた業務品質の向上を目指す
  8. 経営環境の変化に耐えうる強い事業基盤を構築し、持続的な成長と企業価値の向上を目指す

株主の皆様におかれましては、今後とも、なお一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

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